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ABOUT|FORELABOのこと

震災が、私をここへ連れてきた。

2011年、東日本大震災。

見えない不安の中で過ごした、福島での日々。

悩み抜いた末、私は二人の娘を連れて、神奈川県小田原市へ母子避難しました。

縁もゆかりもない土地で始まった、一からの暮らし。

張り詰めた心。

慣れない生活。

ただ毎日を生きることで精一杯の日々でした。

あの時の私は、
未来のことを考える余裕すらありませんでした。

けれど、振り返ると、

あの日の経験があったからこそ、
今の私につながる出会いが生まれました。



なぜ、「フォレストイオン」という名前なのか。

震災のあと、
私は一度、自然から心を遠ざけました。

山も、海も。

大好きだった景色が、
悲しみの記憶と重なってしまったからです。

けれど避難先で出会った自然は、
何も語りませんでした。

風が吹く。

木々が揺れる。

波が寄せては返す。

ただ、それだけ。

励まされるわけでもなく、
答えを与えられるわけでもない。

その静かな時間の中で、
私は少しずつ、自分自身を取り戻していきました。

自然は、
何かを変えてくれたのではなく、

本来の自分へ戻るための時間を
そっと与えてくれたのだと思います。

「休むこと」は、
立ち止まることではない。

また歩き出すために、
自分を整える時間。

そのことを、
自然が教えてくれました。

私にとって森とは、

静かに自分自身と向き合い、
本来の自分へ戻ることを思い出させてくれる場所です。

そして十二年。

娘たちは、それぞれの人生を歩み始め、
私は故郷・福島へ帰ってきました。

フォレストイオンを携えて。

この名前には、

あの日、自然から受け取った静けさと、

もう一度歩き出す力を与えてくれた時間への感謝を込めています。



一度途絶えた技術との出会い。

避難生活の中で、

友人に誘われ、
身体と向き合う施術を続けていた一人の先生のもとを訪ねました。

先生は、こう言いました。

「福島県民は無料です。」

その一言がなければ、
私はその扉を開かなかったかもしれません。

半信半疑で向き合った、
やさしい微弱な電気。

最初は戸惑いもありました。

それは、ピリピリとした刺激ではなく、
身体の奥がじんわりとほどけていくような、
静かでやさしい時間でした。

それでも通い続けるうちに、

張り詰めていた毎日の中に、
少しずつ余白が戻っていきました。

先生は、

かつて存在した技術「タカオイオン」と向き合い、
その価値を大切に守り続けてきた方でした。

それは昭和初期から研究が続けられてきた、
微弱な電気を用いて心身を整えるための、
一つの技術の系譜でした。

やがて先生は現場を離れることになります。

その時に残した言葉があります。

「この技術を、もっと多くの人に届けてほしい。」

その想いが、
私の中に残りました。



想いを、未来へつなぐ。

この大切な技術を、
もう一度現代の暮らしに馴染む形にして、
必要としているたくさんの人に届けたい。

その一心で、
私は力を貸してくれるパートナーを探し始めました。

私たちが目指したのは、

かつて存在した「タカオイオン」の技術的な仕組みをルーツ(根源)としながらも、

現代の安全基準に合わせて素材から見直し、
今の私たちの生活に心地よくフィットする形へと昇華させた、
まったく新しい製品です。

その探求の過程で、
運命的に出会ったのが一人の職人――

電子機器・音響の専門家である、
福田武史氏でした。

福田氏もまた、

この技術に秘められた価値を信じ、
未来へ残したいと願った一人です。

「子供の頃から電子機器に触れてきました。

個人制作も含めれば、
この道はもう30年以上になります。

自分の手で、どこまでできるのか。

その挑戦を、ずっと続けてきました。」

福田氏はそう語ります。

デザインも、
組み立ても、

一度で満足したことはない。

何度も試作を重ね、
改善を繰り返してきました。

仕事として依頼されたものより、

自分自身が納得できるものづくりの方が、
こだわりは強くなる。

誰かに求められたからではなく、

自分が本当に良いと思えるものを届けたい。

その想いが、
一台一台に込められています。

「電気と癒し。

一見、相反するもののように思われるかもしれません。

けれど私にとって、
それは同じ場所にあります。

ストレスを、少しの間でも忘れられる時間。

その時間をつくることが、
私のものづくりの目的です。」



介護福祉士として12年間、

多くの方の暮らしに寄り添ってきた私。

現場で感じてきた想いと、

福田氏のものづくりへの想い。

その二つが重なり、

試行錯誤を重ねて生まれたのが、

フォレストイオンです。

一台一台、

職人の手仕事で、

大切につくり続けています。



FORELABOが届けたいもの。

FORELABOが届けたいのは、

単なる機械ではありません。

忙しい毎日の中で、

少し立ち止まり、

自分に戻る時間です。

私たちが大切にしているのは、

人が本来持つ調和。

人生は、

年齢を重ねるほど終わっていくものではなく、

深まり、広がっていくものだと思っています。

そのために、

日々、自分自身と向き合う時間を育てること。

あの日、

自然が私を支えてくれたように。

今日も、

誰かの「自分に戻る時間」に、

静かに寄り添える存在でありたい。

これからも、

好きな場所へ。

好きな時に。

自分の足で。

そう言える日々のために。

そんな願いを込めて、

FORELABOを続けています。



毎日、自分に戻る時間。

FORELABO
福島県いわき市

介護福祉士
遠藤 真理子